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- 入れ歯が入っていれば安心?「口腔機能低下症」と食べる機能を取り戻すために - 成城学園の入れ歯・義歯専門外来|安藤歯科医院| 元大学教授による精密自由診療

「入れ歯を入れているので、噛む機能は問題ないと思っていました」
安藤歯科医院でも、入れ歯をお使いの患者さんから、このようなお話を伺うことがあります。
入れ歯は、失った歯の機能を補い、食事や会話を支える大切な治療です。
しかし、入れ歯が入っていることと、その入れ歯で十分に噛めていることは、必ずしも同じではありません。
以前より硬いものを避けるようになった、食べこぼしが増えた、口の中が乾く、食事中にむせることがある。
このような変化の背景には、「口腔機能低下症」が関係している可能性があります。
小田急線・成城学園前駅北口から徒歩1分の安藤歯科医院では、入れ歯の適合状態だけでなく、患者さんが実際にどのように食べ、噛み、飲み込んでいるかという機能面にも目を向けています。
東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)名誉教授をはじめとする専門家の知見も踏まえ、今回は、入れ歯をお使いの方に知っていただきたい口腔機能低下症と、食べる機能を維持・回復するためのポイントを解説します。
口腔機能低下症は「噛む力」だけの問題ではありません
口腔機能低下症とは、加齢や疾患、歯の喪失など、さまざまな要因によって、お口の複数の機能が低下した状態です。
お口には、食べ物を噛み砕くだけでなく、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくする、舌で食べ物を奥へ送り込む、飲み込む、言葉を発するといった多くの役割があります。
そのため、歯が何本残っているか、入れ歯を使っているかという点だけでは、お口全体の機能を十分に評価できません。
口腔機能低下症の診断では、主に次の7つの項目を評価します。
- 口腔衛生状態:舌の汚れなど、お口の清潔さ
- 口腔乾燥:お口の乾燥や唾液の状態
- 咬合力:歯や補綴装置による噛む力に関係する状態
- 舌口唇運動機能:舌や唇を動かす能力
- 舌圧:舌で食べ物を押しつぶし、送り込む力
- 咀嚼機能:食べ物を噛み砕き、細かくする能力
- 嚥下機能:食べ物や飲み物を飲み込む能力
これらを所定の方法で検査し、基準に従って診断します。
一般に、7項目のうち3項目以上で機能低下が認められることが診断の目安となります。
実際の診断では、各検査の判定基準や適用条件を確認する必要があります。
大切なのは、単に歯や入れ歯の状態を見るのではなく、食べるために必要なお口の機能を総合的に評価することです。
歯を失うことが、お口の機能低下につながることも
奥歯を失うと、上下の歯でしっかり噛み合う部分が減り、食べ物を十分に噛み砕くことが難しくなる場合があります。
その結果、硬い肉や繊維質の野菜などを避けるようになり、食事の内容が偏ってしまうこともあります。
長期的には、栄養状態や全身の健康への影響にも注意が必要です。
ただし、残っている歯の本数だけで、お口の機能が決まるわけではありません。
歯が残っていても、歯周病でぐらついていたり、噛み合わせのバランスが崩れていたりすれば、十分に噛めないことがあります。
一方、歯を失っていても、お口の状態に合った入れ歯を適切に使用することで、噛む機能を補うことができます。
重要なのは、歯や入れ歯があるという事実だけでなく、実際にどのようなものを、どの程度噛んで食べられているかという点です。
こんな変化はありませんか?
口腔機能の低下は、突然起こるとは限りません。日常生活の中で、少しずつ変化が現れることがあります。
- 以前より硬いものを食べなくなった
- 食事に時間がかかるようになった
- 食べこぼしが増えた
- お茶や汁物でむせることがある
- 錠剤などを飲み込みにくくなった
- 口の中が乾きやすい
- 滑舌が悪くなったと感じる
- 入れ歯が動く、外れる、痛む
- いつも左右どちらか一方で噛んでいる
こうした変化を「年齢のせいだから仕方がない」と考えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、お口の機能を見直すきっかけとなる大切なサインかもしれません。
早い段階で原因を確認し、必要な治療や機能訓練につなげることが、食べる楽しみを守るうえで重要です。
なお、むせや飲み込みにくさが続く場合には、入れ歯の調整だけで解決するとは限りません。
必要に応じて、嚥下機能についても専門的な評価を受けることが大切です。
入れ歯は「作ったら終わり」ではありません
新しい入れ歯を作れば、すぐに何でも食べられるようになるのでしょうか。
実際には、新しい入れ歯に慣れるための期間が必要です。また、装着後に痛みや違和感が生じた場合には、お口の状態に合わせて調整を重ねることが大切です。
長年、噛みにくい状態が続いていた方の場合、入れ歯を新しくするだけでなく、食べ方や噛み方を少しずつ見直していく視点も欠かせません。
例えば、次のような状態は、入れ歯の機能を十分に活かせていない可能性があります。
- 噛むと痛いため、食事中に入れ歯を外してしまう
- 話したり食べたりすると入れ歯が動く
- 噛み合わせのバランスが悪い
- 硬いものや繊維質の食品を避けている
- 食べ物をほとんど噛まずに飲み込んでしまう
- 作製してから長い間、専門的な調整を受けていない
歯ぐきや顎の骨は、時間の経過とともに形が変化します。
そのため、以前は問題なく使えていた入れ歯でも、次第に合わなくなることがあります。
合わない入れ歯を我慢して使い続けると、痛みや噛み方の偏りにつながる場合があります。
部分入れ歯では、残っている歯への負担にも注意が必要です。
入れ歯を長く快適に使うためには、定期的に状態を確認し、必要な調整を受けることが大切です。
専門的な知見を踏まえた、安藤歯科医院の入れ歯診療
安藤歯科医院では、入れ歯の形や見た目を整えるだけでなく、患者さん一人ひとりのお口の状態や食生活にも目を向けた診療を大切にしています。
東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)名誉教授をはじめとする専門家の知見を診療に活かし、科学的根拠に基づいた評価と治療を通じて、患者さんの食べる機能を支えることを目指しています。
診療では、主に次のような点を確認します。
1.お口の状態を詳しく確認する
残っている歯や歯ぐき、顎の粘膜、噛み合わせ、現在お使いの入れ歯の適合状態などを確認します。
必要に応じて、日頃の食事や困っていることについても伺います。
2.お口の状態に合わせて入れ歯を設計・作製する
残っている歯や顎の状態、噛み合わせ、生活習慣などを考慮し、一人ひとりに適した治療方法を検討します。
3.装着後の調整を重ねる
実際に使用した際の痛みや違和感、入れ歯の動きなどを確認し、必要な調整を行います。新しい入れ歯に慣れていく過程も大切にします。
4.実際に噛めているかを確認する
入れ歯が痛くないことだけでなく、食べ物を十分に噛めているか、食事で困っていることがないかにも目を向けます。必要に応じて、お口の機能について評価します。
5.定期的にメインテナンスを行う
お口の状態は少しずつ変化します。
定期的に入れ歯や残っている歯の状態を確認し、快適に使い続けられるよう管理していきます。
このように、入れ歯の治療では、作製時だけでなく、その後の調整や継続的な管理も重要です。
入れ歯をお使いの方へ――食べる喜びを守るために
入れ歯をお使いの方の中には、「痛くないから問題ない」「柔らかいものを選んで食べていれば大丈夫」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、痛みがなくても、無意識に片側だけで噛んでいたり、食べられる食品の種類が少しずつ減っていたりすることがあります。
ご本人が食べ方を工夫して対応しているため、お口の機能が低下していることに気づきにくい場合もあります。
だからこそ、入れ歯の状態だけでなく、毎日の食事をどのように楽しめているかを振り返ることが大切です。
「以前より食べにくくなった」「入れ歯はあるけれど、うまく使いこなせない」「柔らかいものばかり食べるようになった」と感じたら、年齢のせいと諦めず、一度お口の状態を確認してみませんか。
成城学園前駅北口から徒歩1分の安藤歯科医院では、現在お使いの入れ歯についてのご相談も承っています。
これからも食事を楽しみ、自分らしい生活を続けていくために。入れ歯や噛む機能について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
参考資料
- 日本老年歯科医学会「口腔機能低下症」に関する資料
- 日本老年歯科医学会「口腔機能低下症 保険診療における検査と診断」
- 佐藤裕二ほか「口腔機能低下症の検査と管理」日本補綴歯科学会誌、2020年
- 鳥巣哲朗「歯の喪失ならびに口腔機能低下が高齢者の健康状態に及ぼす影響」日本補綴歯科学会誌、2017年
- 冨士岳志ほか「可撤性義歯装着後の咀嚼能力に影響する因子の検討」日本補綴歯科学会誌、2023年
- 日本補綴歯科学会「有床義歯補綴診療のガイドライン」